あわやホームランと言う大飛球も、打ち取った打球もファウルとなれば仕切りないしです。
フェアかファウルか紙一重の差が、時に試合の流れを大きく左右する事もありあす。
1995年のヤクルトvsオリックスの日本シリーズの第4戦では、オマリー選手のライト戦への打球がポール上を通りファウルとなりました。
このあとオマリー選手は空振り三振をしています。
名勝負の裏にファウルありと言われる程です。
フェアゾーンだけではなく、ファウルにも野球の深さや楽しさがあります。
ここではカット打法やファウルについて紹介したいと思います。
ファウルについて
プロ野球のファウル王は?
プロ野球の選手はどのくらいファウルを打っているのでしょうか。
2016年のレギュラーシーズンでファウルになった打球の数は、49,781本になります。
これはピッチャーが投げた球数に対して、約19%がファウルという結果になっています。
では2016年にファウルを量産した選手ベスト3を紹介したいと思います。
3位
千葉ロッテ:角中勝也選手
ファウル数520本
抜群のバットコントロールでファウルを量産しました。
2位
横浜DeNA:倉本寿彦選手
ファウル数524本
ミートポイントを近くする打ち方で、成績もファウル数もアップしました。
1位
日本ハム:中島卓也選手
ファウル数759本
ピッチャーがうんざりするほど粘るカットの達人です。
あまりのしつこさにスタンドからどよめきが上がるほどです。
中島卓也選手のファウル打法
カットする理由はフォアボールで出塁を狙う為です。
2ストライクと追い込まれた時は、まず3ボール2ストライクに持って行きます。
そこからフォアボールで出塁しようとストライクはカットし、ファウルにします。
ファウルにする打ち方はポイントを近くする事です。
バッターボックスでの立ち位置は、ホームベースのほぼ真横です。
落ちるボールも早めにバットに当てる事ができるので、粘りやすさが上がると言う事です。
球数を投げさせると言うよりは、ファウルで粘りフォアボールで出塁するために磨かれたカット打法という事です。
カット打法について
元読売ジャイアンツで活躍した高田繁氏は、ファウルになった打球が「高田ファウル」と呼ばれる程、ファールが多かった選手です。
王、長嶋の前を打つ打者として、V9に大きく貢献しました。
高田氏のバッティングスタイルは、極度の引っ張り打ちでした。
本人は非力なので、それを解消するためにバットを握る時に、右手と左手の間を少し開けていました。
少し間を開けて握る事により、バットのヘッドが返りやすくなり、非力でも鋭い打球を打つことが出来たという事です。
しかし、インコースの球はヒットにするのは難しくレスト線へのファールが多くなってしまうのです。
非力だった高田氏は、いくらファウルになってもプロで生き残るにはバットのヘッドを返しやすくするこの握りしかなかったのです。
高校野球で話題になったカット打法
花巻東の千葉選手は、カット打法が上手で話題になりました。
甲子園での鳴門高校との準々決勝では、カット打法でフォアボールで出塁するなど、相手投手に一人で41球投げさせる程でした。
しかし、高校野球のルールでは2ストライクからの意図的なカットは、スリーバントとして判断されます。
カット打法は禁じられ、準決勝で敗れてしまいました。
カット打法でファウルにする技術と駆け引きまとめ
カットして粘るメリットは、フォアボールで出塁する可能性が高くなるという事です。
足の早い選手がカットが得意だと出塁する可能性が高くなり、出塁した後のも盗塁などでチャンスを広げる事が出来ます。
また、相手投手にたくさん球数を投げさせる事が出来ます。
カットする時のポイントは、ミートポイントを近くにするという事です。
2016年一番ファウルが多かった中島卓也選手や、高校野球で話題になった千葉選手のカットする時のポイントは、かなり近い所にあります。
際どい球や、難しい球はファウルにして甘い球を狙ってヒットの確率を上げるためにもカットする技術は必要だと思います。