インハイ(内角高め)は甘く入れば一発長打のホームランボールとなり、厳しく攻めすぎるとデッドボールになる危険性があります。
しかし、厳しいコースに投げれればどんな強打者も抑えられる武器となります。
広島カープの黄金期を築いた川口和久投手は「インハイは俺の生命線」と言っています。
インハイはバッターが打ちに行くときに一番時間の無い所です。
ここにしっかりと投げる事が出来れば打ち取る事が出来るし、甘く入ってしまえばホームランボールとなってしまいます。
そんな重要でスリリングなコースについて紹介したいと思います。
インハイ攻めについて
プロ野球でインハイ攻めが多い投手
プロ野球の投手でインハイ攻めが多い投手ベスト5を紹介したいと思います。
なお、こちらのデータは2016年になります。
5位
ジェイ・ジャクソン投手
広島カープ
全投球の12.5%がインハイで、8球に1球はインハイに投げている事になります。
4位
岩崎 優投手
阪神タイガース
全投球の12.7%がインハイで、ゆったりとしたフォームから投げ出されています。
3位
藤川 球児投手
阪神タイガース
全投球の13.6%がインハイで、持ち前のストレートで厳しいコースを攻めています。
2位
ルイス・メンドーサ投手
日本ハムファイターズ
全投球の14.1%がインハイで、その剛腕で打者を抑えます。
1位
牧田 和久投手
西武ライオンズ
全投球の16.0%がインハイで、アンダースローから浮き上がるようなストレートでインハイを攻めています。
インハイを攻めるこだわりについて
インハイに一番投げ込んでいるのは、西武ライオンズの牧田投手でした。
牧田投手がインハイに投げ込む時は、バッターの構えている肩のあたりを狙っているという事です。
ストライクを取るというより、ボール球として使用している感じです。
アンダースローでインハイを見せる事により、外の球を遠く見せる事が出来ます。
配球を組み立てる中で、視覚をうまく使うためにインハイに投げ込んでいるという事です。
そのためインハイの次に投げる球は重要になってきますし、ピッチャーとバッターの駆け引きのポイントにもなってきます。
インハイに投げる時に意識すること
インハイは甘く入ってしまうと長打になりやすい球となってしまいます。
ですので、しっかりと腕を振り投げる事が重要になってきます。
中途半端な高さやスピードになってしまう事が一番危険なのです。
たとえボール球であったも、しっかりと腕を振り力のあるボールを投げる事が大切になります。
また、インハイ攻めで重要なのは、ボールにスピンをかけキレのある球を投げる事です。
ボールの回転数が多いと初速と終速が変わらず、バッターは伸びてくるようにも見えるし、振り遅れて空振りや凡打になります。
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インハイを使う配球術
インハイはバッターに近い場所なので、一歩間違えればデッドボールになってしまいますし、ホームランボールにもなってしまいキャッチャーからしても要求しづらいコースです。
しかし、しっかりと投げる事ができればバッターとの勝負で有利に導く事が出来ます。
インハイのメリット
インハイを厳しく攻めれば、打者を威嚇し踏み込む事が出来なくなる配球です。
ここにしっかりと投げる事が出来れば、バッターとの勝負の主導権を握る事が出来ます。
バッターを威嚇する事ができ、アウトコース低目の球が有効になります。
インハイを攻めたらアウトローを攻めると言うのは、配球のセオリーになります。
有効的にインハイを使えば、アウトローと分かっていても打たれない程の効果をもたらす事が出来ます。
インハイのデメリット
甘いコースに行ってしまえば長打を打たれる可能性があったり、デッドボールになってしまう可能性があります。
しかし、このコースに投げれないとバッターにガンガン踏み込まれてしまい、アウトコースの良いボールでも打たれてしまいます。
インハイを厳しく攻めていた元西武ライオンズの東尾修投手のピッチングは「ケンカ投法」と呼ばれ、通算与死球は165個と歴代最多記録です。
しかし、インコースを厳しく攻める事によりアウトコースのスライダーが絶大な効果をもたらしました。
プロで20年間活躍できたのも、このインハイ攻めがあったからだと思います。
インハイ攻めのピッチング投球術まとめ
インハイは厳しく攻める事が出来れば、バッターとの勝負を有利に進める事が出来ます。
しかし、甘く入ってしまうと長打を打たれたり、デッドボールになる危険性がある球です。
インハイを投げるのに必要なのは、もちろんコントロールという技術もありますが、それ以上にメンタル面が重要になります。
デッドボールを恐れず腕をしっかりと振り、厳しいコースに投げる事が重要です。
もちろん練習で厳しコースに投げる練習は必要ですが、バッターに当ててしまったらどうしよう・・・なんて弱気では投げられません。
デッドボールになってしまったらしょうがない!くらいの気持ちで投げる事が大切だと思います。