野球では逆方向に打つ打撃の事を「流し打ち」と言います。
右打者の場合はライト方向に打ち、左打者の場合はレスト方向に打ちます。
ベーブルースに並ぶ投手で10本塁打を達成した大谷翔平選手のホームランは、10本中5本が流し打ちでの本塁打でした。
多様化する変化球への対応や、小技を重視した戦術によるコンパクトな打撃の必要性から、流し打ちの技術が求められるようになりました。
メジャーリーグでは、流し打ちという言葉がなく「逆方向に打つ」と言う感じで、流し打ちは日本独自の表現になります。
ここでは、そんな流し打ちについて紹介したいと思います。
「流し打ち」について
流し打ちで打率が上がる!?
ヤクルトスワローズの畠山和洋選手は、フルスイングで引っ張るのが持ち味の選手でした。
それが打撃改造をし、来た球に逆らわず振るようにしました。
ポイントとなるのは、左肩の入り方です。
レフト方向に打つ時は、左肩を少し開き気味にしていて、右方向に打つ時は少し肩を入れるようにし、踏み込んで入っているという事です。
畠山選手は流し打ちをするようになってから打率がアップしました。
2013年.219だった打率が2014年は.310に!
約1割近く打率が上がっています。
さらにホームランも増え、12本塁打から17本塁打になっています。
これも流し打ちの効果と言えると思います。
逆方向に引っ張るイメージ
山田哲人選手は、基本フルスイングが持ち味です。
右方向にもヒットを量産し、2年連続3冠王にも輝きました。
流し打ちを意識して行っていると言うよりは、逆方向に引っ張るという意識で打っているという事です。
レフト方向に打つのか、ライト方向に打つのかはタイミング次第だと言います。
流し打ちしやすいバットは?
山田哲人選手と畠山和洋選手はタイプは違いますが、ある事を共通にしているバットを使用していました。
それは、遠くに飛ばすよりも「バットの芯で捉えやすい」タイプの物を使用しているという事です。
山田選手のバットは「芯が手元寄りにあるタイプ」で、畠山選手のバットは「スイートスポットが広いタイプ」になります。
遠くに飛ばす事よりも、芯で捉えることを意識したバットを使用しています。
「流し打ち」を習得する方法
少年野球でも草野球でも流し打ちは必要不可欠と言っても過言ではありません。
ではどうすれば流し打ちを習得する事ができるのでしょうか。
流し打ちの基本的な打ち方
単打、進塁打を目的として「おっつけて打つ」という打ち方をします。
おっつける打ち方とは、手首を返さずバットは打つ方向に向ける事を重視します。
打球の方向を安定されるため、腰を回転させる角度は約30度にします。
ボールの反動を利用して打つのが特徴です。
遠くに飛ばすにはあまり適していませんが、ヒットは量産できると言う打ち方です。
バットのヘッドを残す
流し打ちのポイントとなるのが、バットのヘッドの位置です。
ヘッドが遅れて出てくると、自然と逆方向への当たりとなります。
インパクトの瞬間にグリップを強く握るとバットのヘッドが立ち、打球が強くなります。
右打者であれば右手、左打者であれば左手でのバットの握りをフィンガーグリップにすると、よりインパクト時に強く握る事が出来ます。
流し打ちのメリットとデメリット
流し打ちメリット
逆方向に打つようにすると、ボールを引き付けよく見るようになります。
その為、変化球に対応しやすくなります。
また、ランナーがいる時などランナーを進塁させやすいバッティングをする事が出来ます。
ボールを良くみて打つので打率アップにも繋がります。
流し打ちデメリット
流し打ちをした時は、打球が弱くなってしまいがちで、長打率が低くなっています。
日本人の場合、流し打ちをした場合と、引っ張った時のスイングスピードを比べると10キロ程スピードが落ちています。
これは、偶力という力が弱くなっている事にあります。
偶力とは、押し手(ヘッド側の手)で前に出し、引手(グリップ側の手)で後ろに引いたときに生まれる力です。
この動きが強ければ強いほど、バットの回転運動量を上げ、スイングスピードが上がります。
➡アウトコース(外角)を流し打ち 力強い打球を飛ばす打ち方3つのポイント
流し打ちのまとめ
流し打ちは多様化する変化球に対応するためや、小技を生かすために必要な技術とされています。
流し打ちをする事により、今まで以上にボールを良く見るようにります。
その結果、打率が上がる選手が多くなります。
プロ野球選手での打率が高い選手は、流し打ちが上手い選手ばかりです。
流し打ちが出来るようになると、ヒット量産だけではなくチームの得点力アップにも繋がります。
いきなり逆方向に強い打球を打つのは難しいので、まずはミート重視での練習をするのが良いと思います。
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