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中学生のドラフト指名はなぜ可能?巨人育成5位・関蓮太郎の進路

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中学生もドラフトで指名できます。

条件は日本の中学校に在学し、翌年3月に卒業する見込みであることで、中学生にはプロ志望届も要りません。

2026年10月22日、巨人が育成5位で14歳の関蓮太郎捕手を指名し、日本の中学生の指名は史上初、最年少の指名にもなりました。

 

指名で球団が得たのは交渉権だけで、入団するかどうかは本人と家族がこれから決める段階です。

入団する場合も、練習や試合に参加できるのは、中学校を卒業して契約が認められてからです。

球団は「高校には通います」と話しており、スポニチアネックスによると、高校に通いながら球団の施設で育てる方針です。

※この記事の内容は、NPB公式のドラフト会議の概要と報道を2026年10月25日に確認したものです。

 

巨人が中学生の関蓮太郎を育成5位で指名

2026年のドラフト会議で、巨人は育成5位に中学3年の関蓮太郎捕手を指名しました。

 

巨人の育成指名は5人。最後の5位が中学生

巨人の育成指名は、次の5人です。

順位 名前 ポジション 所属
育成1位 谷渕瑛仁 捕手 大阪桐蔭高
育成2位 柳井球汰 内野手 宇部工業高
育成3位 嶋武仁 外野手 北越高
育成4位 松田陸斗 内野手 マツゲン箕島
育成5位 関蓮太郎 捕手 川崎市立向丘中学校

 

巨人は育成で捕手を2人指名しており、5人のうち4人が高校生以下です。

支配下を含めた巨人の全指名と、セ・リーグ6球団の結果は別の記事にまとめています。

➡ ドラフト2026結果セ・リーグ編|6球団の指名一覧と評価・感想

 

プロフィールと世界大会の実績

関選手のプロフィールは次のとおりです(チーム成績と受賞はWBSC公式、それ以外は報道による)。

項目 内容
ポジション 捕手(投手・外野手もこなす)
投打 右投右打
身長・体重 179cm・82kg
指名時の年齢 14歳
経歴 ジャイアンツジュニア → ジャイアンツU15ジュニアユース(多摩川ボーイズ)の1期生
WBSC U-15ワールドカップ2026 日本代表の主将・正捕手・4番
チーム成績 銅メダル(3位)
同大会の成績 打率.333、2本塁打、11打点、OPS1.058
同大会の受賞 ベストナイン(オールワールドチーム)の捕手、大会で特に活躍した選手に贈られる「Most Outstanding Player」

 

日本は3位決定戦でメキシコに8-6で勝ち、この大会で初めての銅メダルを手にしました。

小学生のころから巨人のジュニアチームでプレーしてきた、球団の下部組織で育った選手です。

 

球団の評価と本人のコメント

球団がいちばん評価したのは、二塁への送球で2秒を切る、中学生離れした肩の強さです。

ほかにも、50m走6秒台前半の足と、投手や外野もこなせる器用さが挙げられています。

球団は「一軍の正捕手を担う人材として長期育成していく」ことを目標にしています。

 

榑松伸介スカウトディレクターは「中学生ですけど、指名に値する選手」と話しました。

育て方については「初めてのケースですから、手探りの部分も」あるとしながら、球団の施設で育てていく考えを示しています。

スポニチアネックスによると、関選手本人は、巨人のユニホームを着てきたので「うれしい気持ち」と話す一方、「家族と相談して今後のことを考えていきたい」とコメントしています。

 

中学生がドラフトで指名できるルール

中学生が指名できるのは、NPBのルールで「新人選手」に中学生が含まれていて、年齢の下限も決まっていないからです。

 

「新人選手」の定義に中学校が入っている

NPBのドラフト会議の概要では、新人選手を次のように定めています。

日本の中学校・高校・大学などに在学している、または在学したことがあり、どのNPB球団とも選手契約を結んだことがない選手。

ここに「何歳以上」という決まりはありません。

 

条件は「翌年3月に卒業する見込み」

報道によると、新人選手選択規約の1条と5条で、翌年3月に卒業する見込みの選手が指名の対象とされています。

NPBも取材に対して、「協約上、中学校卒業見込みの選手も指名対象となる」と説明しています。

この条件からは、中学1年生・2年生は指名の対象にならないと読めます(報道による)。

 

中学生にはプロ志望届が要らない

高校生や大学生がドラフトで指名されるには、プロ志望届を出す必要があります。

これは、高校生は高野連、大学生は大学野球連盟に出す仕組みです。

どちらにも入っていない中学生には当てはまりません。

 

試合に出られるのは義務教育を終えてから

新人選手選択規約13条には、「義務教育修了後でなければ、選手契約の承認をコミッショナー事務局に求めることはできない」とあります。

つまり、指名はできても、中学校を卒業するまでは契約を正式に認めてもらえません。

育成選手として公示されるまでは、キャンプにも試合にも出られないと報じられています。

 

契約・試合出場までの時期の早見表

指名から試合に出られるまでの流れを、時期の順に並べると次のようになります。

時期 できること・できないこと
2026年10月22日 ドラフトで育成5位指名(交渉権を得た段階)
2026年10月〜2027年3月 中学3年生のまま。指名は交渉権だけ。入団するかは本人と家族が決める段階。義務教育の途中なので、契約の承認は求められない
2027年3月 中学校を卒業(義務教育の修了)
2027年3月の卒業後〜4月(見込み) 育成選手として契約・公示(見込み)。公示後に二軍・三軍の練習や試合へ(2027年2月の春季キャンプには間に合わない)

 

労働基準法56条では、原則として、満15歳になった後の最初の3月31日が終わるまで子どもを働かせることはできません。

ただし、「契約を結ぶこと」と「実際に練習や試合で働くこと」は別の話です。

 

一方でNPBの概要には、指名した選手と翌年3月末日までに契約・支配下公示できなければ交渉権を失う、という決まりがあります(育成指名にどう当てはまるかは未発表)。

育成選手は別の「育成選手規約」で扱われ、コミッショナーの承認を受けて育成選手名簿に登録される仕組みです(7条)。

同じ7条の2項には、在学中の者は初年度の報酬の対象期間を3月1日から始める、という定めもあります。

 

これらの決まりが中学生の契約にどう当てはまるかは、2026年10月25日時点ではまだはっきりしていません。

契約の時期と条件は未発表(2026年10月25日時点)です。

 

野球評論家のひとこと(制度の読み方)

今回の指名は「規約の穴をついた」ものではなく、もともと中学生も新人選手に含めていた規約を、初めて使ったケースだと言えます。

ただ、育成選手のルールは、高校や大学を卒業して入団する選手を想定して作られてきたように見えます。

3月末の契約期限、3月1日から始まる報酬の期間、満15歳になった後の最初の3月31日までは働かせられないという労働基準法の区切りが、ちょうど同じ3月に重なっているのも、そのためかもしれません。

どの順番で手続きが進むのかは、今後の中学生指名の前例になるので、球団の発表を待ちたいところです(ここまでの読み方は筆者の推測を含みます)。

 

史上初?過去の中学生・中卒のプロ入り例

日本の中学校に在籍している選手がドラフトで指名されたのは、今回が初めてです。

 

1965年のドラフト開始以来、初めての中学生指名

報道によると、1965年にドラフトが始まってから、育成ドラフトを含めて日本の中学在籍者が指名された例はありません。

指名時14歳の関選手は、最年少での指名にもなりました。

 

これまでの最年少は辻本賢人(15歳10カ月)

これまでの最年少指名は、2004年に阪神が8巡目で指名した辻本賢人投手で、当時15歳10カ月でした。

辻本投手はアメリカの高校を休学していた選手で、中学生ではありませんでした。

項目 辻本賢人 関蓮太郎
指名された年 2004年 2026年
球団・順位 阪神・8巡目 巨人・育成5位
指名時の年齢 15歳10カ月 14歳
指名時の所属 アメリカの高校(休学中) 日本の中学校(3年生)

 

ドラフトより前には14歳でプロ入りした選手も

ドラフト制度ができるずっと前の戦前には、名古屋軍のテスト生として14歳でプロの世界に入った西沢道夫(1977年に野球殿堂入り)がいます。

ただし、当時は今の労働基準法(1947年制定)も義務教育の仕組みも違うので、単純には比べられません。

今のドラフト制度のもとで日本の中学生が指名されたのは、関選手が初めてです。

プロ野球選手になるまでの一般的な道のりは、こちらの記事で紹介しています。

➡ プロ野球選手になるには 仕事内容や一日の生活 給料・年収・収入、ドラフト会議やプロテストについて

 

育成選手とは?支配下との違いと期限

中学生がドラフト指名されてから一軍に出るまでの流れ

育成選手は、プロ球団と契約はしているものの、一軍の公式戦には出られない選手です。

 

育成選手と支配下選手の違い

違いをまとめると、次の表のとおりです。

項目 支配下選手 育成選手
一軍の公式戦 出られる 出られない
背番号 2桁まで 3桁
ドラフトでの呼び方 1位・2位… 育成1位・育成2位…
入団時のお金 契約金 契約金はなく支度金

 

育成選手は、二軍や三軍の試合で経験を積みながら、支配下選手に上がることを目指します。

 

育成から支配下に上がる流れと期限

育成選手が一軍で試合に出るには、まず支配下登録をしてもらう必要があります。

シーズン中に支配下へ切り替えられるのは、毎年7月31日までです。

 

育成選手として3シーズン在籍し、翌年の支配下選手契約を結ばない場合は、11月末で自動的に自由契約になります。

そのあとも、同じ球団や他球団と育成選手として契約し直すことはできます。

なお、7月1日以降に契約した年は、1シーズンとして数えません。

 

育成指名は「プロ入り」ではあっても、一軍に出られる保証はありません。

 

お金の話は「支度金」まで

育成選手には契約金がなく、代わりに支度金が支払われます。

関選手の支度金や年俸などの条件は、未発表(2026年10月25日時点)です。

 

野球評論家のひとこと(捕手を長く育てる意味)

捕手は、配球や投手とのやりとり、相手打者の研究など、体の力だけでは身につかない仕事が多いポジションです。

早くからプロの環境に置く考え方には一定の理屈があります。

一方で、育成選手には「3シーズン」という区切りがあります。

仮に2027年の春に契約すれば、最初の区切りは高校3年の秋ごろになる計算です(契約の時期によって変わります)。

区切りの後も育成選手として契約し直すことはできますが、高校生の年代のうちに支配下を目指す、という日程の重みは知っておきたいところです。

期待と難しさの両方を、落ち着いて見守りたい指名です。

 

保護者が気になる進路・学業・けがの心配

プロと契約しても高校には通えますが、高校の野球部には入れなくなります。

 

高校には通うのか

榑松スカウトディレクターは「高校には通います」と話しています。

スポニチアネックスやサンケイスポーツによると、高校に通いながら、球団の施設でプレーする育成プランです。

進学する高校は、未発表(2026年10月25日時点)です。

 

高校野球(甲子園)には出られない

日本学生野球憲章12条1項で、プロ野球選手は学生野球資格を持たないと定められ、3項で資格がない人は部員になれないとされています。

プロ野球選手の定義(3条14号)は野球をすることで報酬を得ている人で、育成選手も報酬を受けるので当てはまると考えられます。

 

指名されただけ(まだ契約していない段階)では資格は失いません。

プロと契約すると、高校の野球部で甲子園を目指すことはできません。

ここは、中学生でプロ入りを考える家庭にとって、いちばん大きな分かれ道です。

➡ 高校野球で夏の甲子園に出れる確率 都道府県大会参加出場校数、県大会を優勝しやすい場所しにくい場所は

 

練習の環境は「巨人の施設」とだけ発表

球団は、施設で育てていく方針を示しています。

三軍で育てるのか、どの施設で練習するのかは、未発表(2026年10月25日時点)です。

 

成長期のからだは無理をさせない

捕手は、試合中に何十回も送球し、しゃがんだり立ったりをくり返すポジションです。

中学生から高校生にかけては骨がまだ伸びている時期なので、肩・ひじ・ひざ・腰に負担がたまりやすくなります。

投げるときや、しゃがむときに痛みが出たら練習を休み、早めに医師(できればスポーツ整形外科)に相談してください。

 

ふつうの高校生は勉強もしなければならず、野球だけに時間を使うことはできません。

その年代からプロの指導と施設で野球に打ち込めるのは、僕はとても恵まれた環境だと思います。

一方で、けがをしてしまえば、どれだけ才能があっても野球を続けられなくなることがあります。

もしそうなった場合は、球団が職員として雇うなど、野球のあとの道まで考えた配慮があってほしいと思います(ここは僕の個人的な意見です)。

➡ 肩や肘が痛くならない投げ方

 

よくある質問

Q. 中学2年生でも指名される?

A. 報道によると、翌年3月に卒業する見込みであることが条件なので、指名の対象は中学3年生です。

 

Q. クラブチームに入っていないと指名されない?

A. 制度の上では、所属するチームの種類の条件はありません。

今回の関選手は、巨人の下部組織のチーム出身です。

 

Q. 中学生でもプロ志望届は必要?

A. 必要ありません。

志望届は、高校生は高野連、大学生は大学野球連盟に出す仕組みです。

 

Q. 指名されたら、もう高校野球はできない?

A. 指名されただけで、まだ契約していなければ、学生野球の資格は失われません。

契約すると、日本学生野球憲章12条によって高校の野球部員にはなれません。

 

Q. 指名を断ったらどうなる?

A. 育成指名の場合、指名から1年間は、どの球団とも育成選手として契約できません(育成選手規約6条)。

翌年以降のドラフトで、改めて指名を受けることはできます。

 

普通の中学生選手が今回の指名から学べること

今回の指名でいちばん参考になるのは、「数字で示せる力」が評価されたという点です。

 

評価されたのは数字で示せる力

関選手の評価の中心は、二塁送球2秒切り、50m走6秒台前半、世界大会での成績でした。

どれも、見ている人が同じものさしで比べられる数字です。

自分の強みを数字で記録しておくと、指導者やスカウトに伝わりやすくなります。

 

捕手なら二塁送球タイムを練習の目標にする

捕手の肩の強さは、二塁送球タイムで比べるのが一般的です。

二塁送球タイムは、投手の球がミットに入った瞬間から、二塁ベースに入った野手のグラブに届くまでの時間です。

測り方の手順は次のとおりです。

  1. 投手役(またはノックの球出し役)が投げ、捕手が捕ってから二塁へ投げる。
  2. 測る人は一塁側のファウルゾーンなど、ミットと二塁の両方が見える位置に立ち、ミットに球が入った瞬間にストップウォッチを押す。
  3. 二塁の野手のグラブに球が届いた瞬間に止める。
  4. 1回の練習で5本前後を測り、いちばん良いタイムと平均を記録する。

 

タイムを測るのは週1〜2回にし、肩やひじに違和感がある日は測らないでください。

 

手で押すストップウォッチは0.1秒前後ずれることがあるので、スマートフォンのスロー動画で撮ってコマ数から出すと、より正確です。

手で測る場合は、毎回同じ人が測ると比べやすくなります。

送球タイムを縮める練習は、こちらの記事でくわしく紹介しています。

➡ 盗塁阻止率が上がるキャッチャーのスローイング 2塁への送球タイムを上げる方法を紹介

 

捕りやすく持ち替えやすいミット選びや、キャッチングの技術も送球タイムに関わります。

➡ キャッチャーミットおすすめな選び方 メーカー比較 評価 評判 捕手グローブのメリット・デメリット

 

➡ 捕手のフレーミング技術はボールをストライクに変える能力 その技と数値化する計算方法を紹介

 

甲子園かプロ直行かは「どちらが正しい」ではない

関選手本人も「家族と相談して今後のことを考えていきたい」と話しています。

高校野球で甲子園を目指す道も、早くからプロの環境に入る道も、それぞれに得るものと手放すものがあります。

進路に迷ったときは、本人・家族・指導者の3者で、学業や体の成長も含めて話し合うことをおすすめします。

プロへの道の厳しさを知っておきたい人は、こちらの記事も参考にしてください。

➡ プロ野球選手になれる確率は1%もない!

 

野球評論家のひとこと(二塁送球2秒切りの水準)

MLBの公式データサイトBaseball Savantによると、メジャーリーグの捕手が二塁へ投げるときの平均は約2.0秒です(捕球から二塁ベースの中心に届くまでを機械で測った値)。

中学生で「2秒を切る」は、数字の上ではメジャーの平均に並ぶ水準で、球団が「最大の魅力」と評価したのもうなずけます。

ただし、中学や高校のタイムの多くはストップウォッチを手で押して測ったもので、機械の計測とはそのまま比べられません。

皆さんが目標にするときも、「同じ人が、同じ位置で測った自分の記録」と比べて少しずつ縮めていくのがいちばん確かな方法です。

 

まとめ

中学生もドラフトで指名できます。

条件は日本の中学校に在学し、翌年3月に卒業する見込みであることで、プロ志望届は要りません。

巨人が育成5位で指名した関蓮太郎捕手は、日本の中学生として史上初、最年少の指名です。

 

指名は交渉権を得た段階で、入団するかどうかは本人と家族がこれから決めます。

入団する場合も、練習や試合に参加できるのは、中学校を卒業して契約が認められた後になります。

契約の時期・条件と進学する高校は、未発表(2026年10月25日時点)なので、発表があり次第この記事に追記します。

パ・リーグ6球団の指名結果は、こちらにまとめています。

➡ ドラフト2026結果パ・リーグ編|6球団の指名一覧と評価・感想

 

参考にした資料(2026年10月25日確認): NPB 2026年ドラフト会議 概要/日刊スポーツ(規約13条・過去の例)/日本学生野球憲章(日本高野連)



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