バッターとの勝負の駆け引きにおいて、「初球」というのは大事なポイントになります。
バッターが初球から狙っているのかどうか判断しなくてはならないし、簡単にストライクを取りに行くと打たれてしまうケースもあります。
かと言ってボール球から入るとその後の勝負で不利になってしまう部分が出てきます。
ピッチャーの心理としては勝負を有利にすすめたいので、初球ストライクを取りたい所です。
ここでは、初球ストライクを取る投球術を紹介したいと思います。
初球のデータに関して
まずは初球に関するデータを紹介したいと思います。
打者との勝負を有利に進める事ができる初球は重要なポイントになります。
初球の割合
こちらはプロ野球1シーズンでの初球の割合になります。
- ボール:41%
- ストライク(見逃し):30%
- ファウル:11%
- 空振り:7%
- 凡打:7%
- ヒット:3%
- 本塁打:0.4%
- 死球:0.2%
- その他(犠打・失策など):0.4%
初球はボール球から入る割合が41%と高かったです。
それだけ、初球から打たれないように警戒しているという事なのでしょうか。
しかし、初球見逃しストライクの割合も30%あり、ヒット、ホームランを打たれる割合は合わせて3.4%です。
初球がストライクになるかボールになるかで、バッターとの勝負がかなり違ってきます。
このデータだけを見ると、初球からストライクをガンガンとりに行ってもいいような気がします。
初球の結果の出塁率
初球がストライクになるかボールになるかで、その後のバッターとの勝負を大きく左右します。
では、初球がストライクの時とボールの時で出塁率にどのくらい差があるのでしょうか。
出塁率の差
※年/ストライク/ボール
- 2008年 .274 .381
- 2009年 .275 .375
- 2010年 .280 .386
- 2011年 .255 .359
- 2012年 .259 .367
- 2013年 .275 .381
- 2014年 .272 .386
- 2015年 .271 .375
- 2016年 .270 .383
- 2017年 .265 .378
初球がストライクになるかボールになるかで、出塁率の差は約1割程違います。
初球がどうなるかでかなりの差が出ています。
初球ストライクを多く取ったプロ野球投手
プロ野球投手で初球からストライクをガンガン取るピッチャーのデータになります。
阪神タイガース
秋山 拓巳投手 59.8%
初球の球種はストレート51%、カットボール24%で、初球ストライクを投げた結果は見逃し64%、ファウル13.3%となっています。
埼玉西武ライオンズ
野上 亮磨投手 60.1%
初球の球種はストレート58%、スライダー21%、チェンジアップ12%で、初球ストライクを投げた結果は見逃し59.7%、凡打13.0%になります。
埼玉西武ライオンズ
牧田 和久投手 60.5%
初球の球種はストレート54%、スライダー26%、シュート13%で、初球ストライクを投げた結果は見逃し60%、ファウル20%になります。
読売ジャイアンツ
マイコラス投手 64.4%
初球の球種はストレート44%、スライダー21%、カーブ21%です。
初球からストライクを積極的にとり、リーグ最多の187奪三振を奪いました。
東京ヤクルトスワローズ
山中 浩史投手 66.7%
初球の球種はストレート54%、スライダー25%、カーブ12%です。
ストレート主体に、スライダーとカーブで緩急をつけ、初球からストライクを取りに行きました。
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初球ストライクを取るピッチング術
初球ストライクを取ればその後のバッターとの勝負を有利に進められますが、ヒットなど打たれてしまう事を警戒しがちです。
しかし、データを見ると初球は見逃す可能性が高く、ヒットを打たれる可能性が低いです。
また、初球を打ってくれて凡打になれば1球で済むので、試合の展開が楽になります。
初球は全力で若干甘いコースに
甘い所に投げるのは危険ですが、バッターが振ってくれそうなストライクゾーンに投げるのが良いかも知れません。
際どい所に投げ見逃されてボールというのも、もったいない気がします。
ギリギリのボールを投げてしまうと、次のボールが余計に難しくなってしまいます。
ストライクを取りに行く投球というよりは、若干甘めのコースに全力で投げるのが良いかも知れません。
初球ストライクを取るピッチャーの投球術まとめ
初球がストライクかボールになるかで、打者との勝負が大きく変わります。
実際のデータからも、初球がストライクになるかボールになるかで出塁率が約1割違ってきています。
初球をストライクを取った方がピッチャーにすると圧倒的有利な結果になっています。
また、初球に際どい球を投げてしまうと、その後に投げるボールが難しくなってしまいます。
もちろん打たれないように警戒しないといけないので、甘いコースはいけません。
なので、甘くなく、際どくないコースに全力で投げるのが良いと思います。