野球でファーストのポジションと言えば、守備の負担が軽く、打力優先の人が守る印象があります。
サードの様な派手さもなく、ショートやセカンドの様に高度な技を見せる部分もありません。
ファーストなんてあまり打球は飛んでこないし、投げた球を捕るだけで誰でも出来るなんて思っている人も多いと思います。
しかし、ファーストの名手と言われる人達は難しく奥が深いポジションと言います。
ここではファーストと言うポジションについて紹介したいと思います。
ファーストのポジションについて
ファーストの打球処理割合
ファーストへの打球が飛ぶ割合がどのくらいあるのでしょうか。
全ポジションと比較してみると
- 投手:6.5%
- 捕手:1.9%
- 一塁手:7.2%
- 二塁手:13.9%
- 三塁手:9.2%
- 遊撃手:14.1%
- 左翼手:15.1%
- 中堅手:17.4%
- 右翼手:14.8%
※データスタジアム調べ(2010年~2014年の5年間のデータ)
投手、捕手を除くと一番処理率が低く、一番打球が飛んでこない所となります。
ファーストに求められる能力とは
一塁手の絶対的な基本となるのは、ファーストに投げられた送球は絶対に捕ると言う事です。
打球は前に落として処理すればアウトになる可能性はありますが、一塁手の場合はそれが許されません。
たとえば、ショートがダイビングキャッチしてファーストに送球します。
その送球が取りずらい送球であったとしても、しっかりと捕球しないとせっかくのダイビングキャッチが台無しになります。
送球された球は必ず捕るという事は基本的な事になります。
難しい送球でも捕るテクニック
ミットを出す時に、手の平を下にしないという事が重要になります。
手の平を下にしてしまうと、イレギュラーなど急な打球の変化に対し、対応できる幅が少なくなってしまいます。
体の正面で捕るように教わった人が多いと思いますが、ほとんどの捕球は逆シングルで捕ります。
逆シングルの方が腕が自由に動かせ、どんな送球にも対応しやすくなります。
もちろん捕球しやすいようにグローブの手入れをしておくのも重要になります。
グローブの手入れの方法はコチラで紹介しています。
➡正しい野球グローブの手入れ方法 新品を柔らかく、使用後のメンテナンス、濡れた時の対処の仕方、保管方法など紹介
ファーストは伸びるより引く
ファーストと言えば、送球に対して体を伸ばして捕球しているシーンをよく見ます。
少しでも伸びた方が際どいタイミングを間一髪アウトにできる可能性があるからです。
しかし、そういった際どいタイミングになるのはごくわずかです。
無理して体を伸ばしエラーしてしまう可能性を高めるよりも、捕球の瞬間グローブを引く感じで確実に捕球した方がアウトにする可能性が高くなります。
それだけ送球したボールはしっかりと捕ると言う意識が重要になります。
王貞治に聞くファーストの極意
王貞治と言えば世界のホームラン王として有名ですが、守備においても素晴らしかったです。
現役を退くその年までゴールデングラブ賞を9年連続受賞し、現役引退の年には守備率0.998を出し、リーグ最高の記録を更新しました。
守備面でもすごかった王貞治さんは、ファーストのポジションをどう考えていたのでしょうか。
ファーストは冷静でなくてはならない
キャッチャーはピッチャーの女房役と言います。
となるとファーストは内野手の女房役という事になります。
内野手がどんな良いプレーで打球を処理しても、送球したファーストでアウトにしないと、どんな好プレーも台無しになってしまいます。
基本であるキャッチボールを大切にし、捕球の感覚を磨かなくてはなりません。
地味ではありますが、それだけ重要なポジションになります。
バント処理の難しさ
ファースト方向に転がったバント処理は判断が難しく、判断力が求められます。
自らダッシュして処理しファーストに投げるのか、ピッチャーに任せてファーストベースに戻るのか一瞬の判断が重要です。
バンド処理でこれだけの判断力を求められるのはファーストのポジションだけになります。
ファーストの楽しみとは
ペナントレースは約140試合ありますが、試合の半分程はファーストのアウトで試合が終了します。
なので、自分がボールをきっちりと捕ってゲームセットとなるケースがたくさんあります。
自分のところでプレーが終わると言う楽しみがあります。
ファーストの守備は難しくて奥が深いまとめ
ファーストへ打球が飛んでくる割合は、ピッチャーとキャッチャーを除けば一番少ないポジションとなります。
しかし、内野手がいくら好プレーをし打球を処理しても、ファーストがしっかりと捕球できないとアウトにする事が出来ません。
誰でも簡単に出来そうなポジションに思いますが、実は基本であるキャッチボールで捕球の感覚を磨かなくてはいけない重要なポジションなのです。