かつて日本のプロ野球にはアンダースローで投げる投手がたくさんいました。
マウンドの土の中からボールが浮かび上がってくる独特の軌道でバッターを打ち取ります。
日本の元祖アンダースローと言われる武末悉昌氏、日本シリーズで4連投して4連勝の快投をして杉浦忠氏、速球を武器に1試合で17奪三振と言う記録を持つ本格派アンダースローの足立光宏氏、そしてあらゆるタイトルを総なめにしたミスターサブマリンこと山田久志氏と、多くのアンダースロー投手がファンを魅了していました。
しかし、90年代以降アンダースロー投手は少なくなってきています。
ここでは日本で独自の進化をしてきたアンダースローについて紹介したいと思います。
アンダースロー(サブマリン投法)について
アンダースローはどういった投げ方なのでしょうか。
また上から投げるオーバースローとの違いはどんなところにあるのでしょうか。
まずはアンダースローの特徴などについて紹介したいと思います。
スピードくても通用する
アンダースローで投げるとオーバースローで投げるよりもスピードが遅いです。
プロ野球の記録を見てみると、サブマリン投法の渡辺俊介投手が2004年~2010年まで平均ストレートが一番遅かったです。
平均球速は約120キロ程です。
つまりアンダースローなら120キロ程度のストレートでプロのバッターも抑えれると言う事になります。
アンダースローの魅力
フォームの強弱やボールの緩急でバッターのタイミングをズラす事が出来ます。
緩い変化球を見せる事で高めのストレートをより速く見せる事ができるし、変化球のキレもオーバースローよりも増します。
ストレートが速くなくても自在にバッターを翻弄する事が出来るのがアンダースローの魅力だと思います。
プロ野球投手のアンダースローデータ
山中 浩史投手
球種名/投球割合/平均球速/被打率
ストレート 49.6% 121.0 .252
スライダー 27.9% 109.3 .300
シンカー 16.8% 121.0 .362
カーブ 5.8% 102.7 .400
牧田 和久投手
球種名/投球割合/平均球速/被打率
ストレート 51.4% 127.4 .252
スライダー 22.8% 113.0 .248
チェンジアップ 8.8% 112.5 .249
シュート 8.0% 124.7 .289
カーブ 7.0% 96.4 .298
シンカー 2.1% 118.1 .219
アンダースローのメリットとデメリット
続いてアンダースローのメリットとデメリットについて紹介したいと思います。
アンダースローにはどんなメリットがあって、どんなデメリットがあるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
アンダースローのメリット
美しいフォームでピッチングをして強打者をおさえ、オンリーワンの輝きがあります。
オーバーハンドで投げる投手とは異なる球筋になるので、バッターを幻惑するピッチングをします。
最大の長所はやはり「球筋」になります。
バッターの目線から見てみると、浮き上がってくるような軌道になるので予測しにくく打ちにくい球筋なのです。
右投手のアンダースローの場合、右バッターからしてみると体に向かってくる感じがし、より打ちにくくしています。
また、キャッチャーからしてみるとリードしやすく、ワンバウンドもオーバースローと比べるとかなり少ないという事です。
アンダースローのデメリット
アンダースローの短所はやはり球速が出にくいという事です。
オーバースローに比べると、腰の回転が利用しにくいため体幹からの力がどうしても伝えにくくなってしまいます。
さらに、下から投げるため落差の大きい変化球(フォークなど)が投げられない、投げにくい事があります。
また、体の柔軟性が必要な投球フォームになるので、体の柔軟性が必要になります。
体が硬い人がアンダースローで投球すると怪我を起こしやすくなってしまいます。
踏み出す足に負担が大きくかかるので、下半身の強化と柔軟性がオーバースローよりも必要になります。
サブマリン投法(アンダースロー)の投げ方
アンダースローの投手は少なくなっていています。
ですが、逆に言うとアンダースローにはチャンスがあるという事になります。
オーバースローで結果が出ない人や、アンダースローに憧れを持っている人は試して見ても良いかも知れません。
アンダースローに向いている人
誰しもが最初からアンダースローで投げている訳ではないと思います。
アンダースローに向いている人というのは、オーバースローで投げた時の腰の使い方にあります。
投球動作に入る時に、無意識に腰を横にひねっている人はオーバースローよりもアンダースロー向きのフォームです。
オーバースローとアンダースローでは腰の使い方が違うのです。
運動能力が必要
アンダースローの投球フォームには柔軟性と体のバネが必要です。
オーバースローよりも体への負担が大きくなります。
誰しもが出来る投球フォームではないのです。
体形もスリムな人が向いています。
リリースポイントの手首の角度
アンダースローのリリースポイントの手首の角度は重要になってきます。
ストレートを投げる時に手首が下向きになってしまいがちです。
これだとボールに力を伝える事が難しくなるので、手首を立てる事がポイントです。
リリースの手首の角度が下向きを6時位置とするならば、12時の位置でリリースすると力が伝わり、切れのあるストレートを投げる事が出来ます。
こちらは世界一低いアンダースローと言われる渡辺俊介投手の動画です。
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➡テクニカルピッチの販売価格や購入方法は?球速、球種、回転数、回転軸が計れる硬式ボール
サブマリン投法(アンダースロー)まとめ
アンダースローで投げる投手が少なくなってきてるのは、右投左打の打者など左バッターが増えてきているからと言われています。
左バッターからしてみると、右投げのアンダースローはすごくボールが見えやすくなります。
プロ野球の投手の中でもアンダースローは1%以下の比率です。
しかし、逆にアンダースローの投手が少なくなった事で、アンダースロー投手の価値が上がっています。
バッターもアンダースローを打つ練習はほとんどしていません。
150キロのストレートが当たり前のプロ野球でも、アンダースローなら120キロ台で勝負する事が出来ます。
アンダースローには大きなチャンスがあると思います。
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