クイックモーションとは盗塁を阻止するために行う素早い投球動作です。
プロの投手は始動からキャッチャーに到達するまでの時間が1.25秒以内と言われています。
どんなにキャッチャーが強肩でも、ピッチャーのモーションが遅ければ盗塁を阻止するのは難しいです。
盗塁はピッチャーの責任が7割とも言われています。
コンマ数秒と言う時間が盗塁をアウトかセーフに決める大切な内容です。
ここではクイックモーションの技や工夫について紹介したいと思います。
クイックモーションについて
盗塁を阻止できるタイムは
まず初めに盗塁を阻止できるタイムを紹介したいと思います。
ポイントは投手のクイックモーション、キャッチャーの送球、タッチの時間になります。
投手のクイックモーション=1.25秒以内
キャッチャーの送球=1.90~1.95秒以内
タッチの時間=0.1秒
合計タイム3.3秒以内が盗塁を阻止できるタイムになります。
足の早いランナーは3.2秒と言われています。
そのためキャッチャーはタッチの0.1秒を短縮するために、セカンドベースで捕球する位置=タッチの位置となるように狙って投げます。
プロ野球選手でクイックモーションが早い投手
盗塁を阻止するために一番短縮しやすいタイムはピッチャーのクイックモーションです。
プロ野球の投手でクイックモーションが早い投手がどのぐらいなのか紹介したいと思います。
メッセンジャー投手
阪神タイガースの投手でタイムは1.20秒です。
クイックモーションになってもその剛腕で140キロ以上の速球を投げます。
大谷翔平投手
二刀流として有名な大谷投手のタイムは1.19秒です。
ずば抜けた速球とクイックも安定したモーションで投げています。
菅野智之投手
読売ジャイアンツの菅野投手は最速1.15秒です。
クイックでも球威やキレが通常と変わらない理想的なクイックモーションです。
塩見貴洋投手
楽天の塩見投手のタイムは1.11秒です。
通常は1.20秒程ですが、ランナー警戒時は特に早く高速クイックで投球します。
久保康友投手
DeNAの久保投手のタイムは1.06秒です。
プロ野球界で最速のクイックモーションと言われています。
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クイックモーションを速くするコツ
クイックモーションを早くするためにモーションを速くすると制球力や球速は落ちてしまいます。
制球力と球速を落とさずにモーションを速くするにはどうすれば良いのでしょうか。
足の着地を早くする
右ピッチャーの場合投球フォームに入り始動するときに左足を上げます。
この左足が地面に着地する時間を早くする事が素早いクイックモーションをするコツになります。
左足が着地してからリリースするまでの時間はどのピッチャーもほとんど同じタイムです。
クイックが素早いピッチャーは左足が地面に付く時間が速いのです。
クイックモーションのポイント
クイックが遅い人はまず下半身は先にひねります。
投球までにタメはできますが、これではキャッチャー到達までに時間が掛かってしまいます。
最も速く投げるのは肩だけひねり腰はひねらずに投げる事です。
しかしこのフォームだと下半身を使わないので、上半身の負担が大きくなります。
余程上半身を鍛えていないとできるフォームではありません。
理想的なのは上半身と下半身をひねりながら重心を移動させる事です。
このフォームであれば自分のパフォーマンスを落とさずに投球する事が可能です。
クイックモーションのさらなる効果とは
クイックモーションは盗塁阻止率を上げるだけではなく、バッターのタイミングを外すのにも有効です。
例えば普通に足を上げている投手が急に足を上げずに投球したらバッターはタイミングが合いません。
急に足を上げず速い速球が来たら対応できなくなってしまうのです。
ツーストライクに追い込むまでは足を上げて投球し、追い込んだら足を上げずに速いストレートを投げれば三振をとれる確率は上がると思います。
クイックモーションを素早くする技と工夫まとめ
盗塁を阻止するためにピッチャーのクイックモーションは1.25秒以内でキャッチャーにボーが到達するのが理想とされています。
クイックを速くするコツは、右ピッチャーの場合左足を着地する時間を速くする事です。
ポイントは上半身と下半身をひねりながら重心移動をする事です。
しかし、クイックモーションはとても繊細なフォームです。
ちょっとしたフォームの違いで球速や制球力が乱れてしまいがちです。
いくら投球モーションを速くしても、甘い球を投げ打たれてしまっては意味がありません。
投球練習の時に投げ込む必要もありますし、うまく出来ない場合は盗塁を警戒した時だけクイックにするなど工夫が必要です。
クイックモーションの歴史についてはコチラで紹介しています
➡【野球】クイックモーションの歴史と始まり すり足クイックの誕生が現在の原形となる