外野手の捕殺と言えばチームのピンチを一瞬にして救い、試合の流れを大きく引き寄せる魅力的プレーです。
捕殺は外野手の技術を凝縮しているプレーでもあります。
メジャーリーグでは捕殺の事を「アシスト」と呼んでおり、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ヒックス選手の捕殺の返球速度は170キロと言います。
メジャーリーグで一番ファンを沸かすプレーが捕殺と言っても過言ではない程です。
強肩の選手はライフルアームと言われていましたが、2001年イチロー選手の捕殺でレーザービームが新しいトレンドとなりました。
しかしコリジョンルールが導入され、捕殺が今までよりも難しくなりました。
それでも通用する捕殺のテクニックや駆け引きを紹介したいと思います。
外野手の捕殺について
コリジョンルールとは
まず新しく導入されたコリジョンルールについて紹介したいと思います。
このルールが導入された事で、捕殺が今までよりも難しくなりました。
コリジョンルールとは
- 守備側の選手がボールを持っていない時に得点しようとしているランナーの走路をブロックすることはできない。
- 守備側の選手がボールを持たずにランナーの走路をブロックしたと審判員が判断した場合、審判員はその走者に走塁妨害としてセーフを宣告をする。
- 守備側の選手は滑り込んでくる走者に接触する時に、激しい接触を避ける為に最大限の努力をしなければならない。
また、ランナーはボールをもった守備側の選手にタックルなどをしてはいけない事になっています。
日本とメジャーの捕殺数の違い
日本のプロ野球とメジャーリーグの捕殺数を比べた場合、日本よりメジャーリーグの方が約2倍多いです。
メジャーリーグの捕殺が多い理由として、送りバンドをほとんどしない事が上げられます。
日本の野球はランナー1塁の時に送りバンドをして2塁に進める事がよくありますが、メジャーではほとんど送りバンドをしません。
そのため、ランナー1塁の時のヒットで3塁まで進もうとしクロスプレーが多くなります。
こういったプレーの差で日米の捕殺数の差が出てくるのです。
捕殺動画集
イチロー選手の捕殺
ヤンキース アーロン・ヒックス選手170キロ捕殺
プロ野球捕殺動画
捕殺の極意3つのポイント
ゴロの捕球について
外野手が捕殺をしようとしたときに、ゴロは左足の前(グローブをはめている側の足)で捕るようにと言われていました。
しかし、左足の前で捕球すると勢いは付きますが、投球までに歩数が増えてしまいます。
投げる動作は正確で速い方が良いので、どうしたら良いかというとグローブをはめた逆側の足を前にして捕球する事です。
こうする事により歩数を減らす事ができ、素早い動作で投げる事が出来ます。
今では多くの選手がグローブをはめた逆側の足を前にして捕球しています。
フライの捕球について
フライを捕球する時に待って捕ってしまうとステップなどに時間がかかります。
捕球する場所より後ろから助走をつけて捕球するのが一般的ですが、より早く送球するためのポイントはフライをジャンプしてキャッチする事です。
通常に捕球した場合はステップが4歩ぐらいになりますが、ジャンプしてキャッチした場合のステップは2歩で投げる事が出来ます。
ジャンプしてキャッチする事で勢いを付ける事ができるので、捕ってからの動作が速くなります。
捕球後のボールの握り
ボールを捕球したから投球までのわずかなステップの間に、しっかりとボールの縫い目に指を掛ける事です。
外野手を守る人は意外と縫い目にしっかりと指を掛けている選手は少ないのです。
ボールの握りをしっかりとすると言う事は、違うリズムをワンクッション入れる事になり、コンマ数秒を争う捕殺プレーでボールを握り替えるのは難しい事です。
練習の時から意識していないとなかなか出来る事ではありません。
しかし、しっかりとボールを握る事が出来れば良い返球をする事が出来るようになります。
外野手の捕殺の極意まとめ
捕殺をするのに強い肩は必要ですが、捕ってからのモーションによりそれをカバーする事も出来ます。
捕殺の3つのポイントは
- ゴロの捕り方
- フライの捕り方
- 捕球後のボールの握り方
になります。
すぐれた捕殺能力が相手チームに知られればランナーは走る事がなくなり、進塁を防ぐ事が出来ます。
ランナーの進塁を防ぐ事が一番良い事になると思います。