ワンプレイで2つのアウトを奪う『ゲッツー』には、鮮やかなコンビネーションと華麗なテクニックがあります。
味方のピンチを救い、試合の流れを変えるゲッツーは内野手の最高の見せ場です。
日本のプロ野球で2007年~2016年で一番ゲッツーを取った二遊間は中日ドラゴンズの荒木雅博と井端弘和のコンビです。
個々の能力も高く、6年連続でゴールデングラブ賞を獲得しています。
また、コンビでより輝きを増す事から『アライバ』と名付けられセットで呼ばれていました。
ゲッツーは瞬時の判断や連携のタイミングなど、短時間で高度なテクニックが要求されます。
より速く、より確実にゲッツーを完成させるには何が必要なのでしょうか。
名手の意見を参考に解説していきたいと思います。
ゲッツー(ダブルプレー)について
一番多いゲッツーダブルプレー
併殺打の多いパターンは『6-4-3』『4-6-3』です。
ショートからセカンド、セカンドからショートでアウトを1つ取り、1塁で2つ目のアウトを取るパターンです。
この2つのパターンだけでも、野球におけるダブルプレーの約60%を締めます。
次に多いのが『5-4-3』、サードからセカンドでアウトを取り、1塁で2つ目のアウトをとるパターンです。
二遊間におけるゲッツーは一番多く発生し、見せ場が多いダブルプレイなのです。
ゲッツーの効果
ゲッツーは1つのプレイで2つのアウトを取ります。
味方のピンチを救い、試合の流れを変える効果があります。
見ている人達にも感動を与える内野手の見せ場です。
ゲッツーを完成させるには
打ったバッターが1塁に到達するまでに、もう一つのアウトを取らないといけないので、スピードが重要視されます。
個々の能力も大切ですが、コンビネーションも大切です。
捕ってから速く正確に送球しないと2つのアウトを取る事ができず、ゲッツーは完成しないのです。
ゲッツーを完成させるテクニック
内野手セカンドが素早く強い球を投げる方法
二塁手が補給後セカンドベースに向かって投げるのは一番難しいとされています。
体を反転させて投げなくてはいけないので、素早く強いボールが投げにくいのです。
それを素早く強いボールを投げるテクニックとして、『体の右側に重心を置いて捕球』します。
右側で捕球してそのまま軸として回転する事により、スムーズに安定した動作になり、素早く力強いボールが投げられます。
左側で捕ってしまうと、反転させるのに時間がかかり、遠心力が付いてしまうので、重心も振られてしまい強い球が投げられません。
ショート、サードからの送球を二塁手が素早く1塁へ投げる方法
二塁手がショートやサードからきたボールを一塁へ投げる時は、反対方向になるので、どうしても投げにくくなってしまいます。
それでも、素早く強いボールを投げなければゲッツーは完成しません。
この時に強い球を投げるコツは『取る瞬間右足に体重を乗せる』事です。
この体重移動によって反動が付き、強いボールを投げられるようになります。
ボールを取る瞬間、右足1本で捕球するイメージです。
プロ野球ダブルプレー集4-6-3動画
正確なグラブトスをするコツ
ゲッツーを完成させるためにはグラブトスをした方が良い場面があります。
しかし、グラブトスは慣れていないと上手に出来ません。
グラブトスを上手くやるコツは『手首を使わない事』です。
手首を使うとグローブに引っかかってしまい、速くて正確なトスができません。
プロ野球 華麗なグラブトス集の動画
内野手ショートの捕球時の足の動き
ゴールデングラブ賞を10回獲得している内野手の名手、元ヤクルトスワローズの宮本慎也さんは捕球時左右の足を平行にして捕球しています。
そうすることによってセカンドベースが視野に入りやすくなります。
しかし、両足が揃ってしまうと投げにくいので、捕った時に後ろにステップして投げているそうです。
ステップをしないと上半身だけのリズムになってしまい、強い球が投げられません。
ステップし足を使う事により、体が連動して良い球が投げられるようになります。
二塁手からのボールの捕り方
ショートが二塁手からボールを取る時にポイントがあります。
それは自分の体の近くでボールを取る事です。
二塁手が投げたボールを取りに行ってしまうと、捕ったグローブを引く作業が生まれ、体を持って行く作業も生まれてしまいます。
そうすると体のバランスが悪くなり、余計に時間が掛かってしまいます。
速くアウトを取るために、前でボールを取りに行くのではなく、我慢して体の近くで捕った方がバランスをも良く、速いボールが投げれるのです。
プロ野球ダブルプレー集6-4-3動画
➡日本のプロ野球とメジャーリーグのゲッツーの違いについてはコチラ
内野手のゲッツーまとめ
ゲッツーを取るためには、個々の能力も必要ですが、コンビネーションも大切です。
相手の投げやすい位置に投げる、相手の捕りやすい球を投げるという意識が無ければゲッツーは完成しません。
また、少しでも早く、少しでも強い球を投げるためにはわずかな動きや、体の使い方が重要になってきます。
重心の位置や、足の使い方が数秒を争うゲッツーの成功率を飛躍的に上げる事となるのです。
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