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戦力外通告とは?いつ・どう決まる・その後の進路をわかりやすく解説

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戦力外通告とは、球団が選手に「来季の契約を結ばない」と伝えることです。

毎年、シーズン終盤の9月末〜10月末ごろの決められた期間に行われます。

通告を受けた選手は、自由契約になって他球団を探すか、育成選手として結び直すか、引退するかに分かれます。

 

NPBの調査では、2025年に戦力外・現役引退となった169人のうち、約85%が野球に関わる進路を選んでいます。

この記事では、通告の時期、自由契約・育成契約・任意引退との違い、年俸の扱い、その後の進路までを順番に解説します。

 

戦力外通告とは?意味をかんたんに

戦力外通告とは、球団が「来季はあなたと選手契約を結びません」と選手本人に伝えることです。

 

「来季は契約しない」という球団からの通知

プロ野球選手は、球団と1年ごとに契約を結ぶのが基本です。

そのため、球団が「来季は契約を更新しない」と決めた選手に、その意思を前もって伝えます。

これがニュースでいう戦力外通告です。

 

「戦力外通告」は野球協約に出てくる正式な言葉ではなく、ファンや報道で使われている呼び名です。

公式には、球団から選手への「契約を更新しない旨の通知」にあたります。

 

なぜ毎年行われるのか

理由は、1球団が抱えられる選手の数に上限があるからです。

1軍・2軍を合わせた支配下選手は、1球団70人までと決められています。

 

秋のドラフト会議で新人を指名し、新しい外国人選手を獲るには、その分の枠を空けなければなりません。

引退やFA移籍で空く枠だけでは足りないことが多いため、毎年まとまった人数が通告を受けるのがふつうです。

➡ プロ野球選手になるには 仕事内容や一日の生活 給料・年収・収入、ドラフト会議やプロテストについて

 

戦力外通告はいつ?第1次と第2次の期間

戦力外通告は、「第1次」と「第2次」の2つの期間に分けて行われます。

 

第1次(2軍の日程が終わった翌日から)

第1次は、2軍(ファーム)の全日程が終わった翌日から、クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージの前日までです。

報道によると、2026年は9月28日〜10月9日でした。

CSファーストステージで敗退した球団は、CS終了の翌日まで期間が延びる特例があると報じられています。

 

第2次(CSが終わった翌日から10月30日まで)

第2次は、CSの全日程が終わった翌日から始まります。

報道によると、2026年の第2次は10月30日までとされていました。

 

NPBが2021年に出した告知では、第2次の終わりは「日本シリーズ終了の翌日」でした。

報道によると、2025年からは、いわゆるフリーランス法(2024年11月施行)に合わせて、第2次の期限が10月30日までになったとされています。

ただし、NPBの公式の告知はこの記事の確認日時点で見つけられませんでした。

細かい日付は年によって変わるので、その年の報道やNPBの発表で確かめてください。

 

期間が2つある理由

期間が2つあるのは、ポストシーズンを戦うチームとそうでないチームで、シーズンが終わる時期が違うからです。

CSや日本シリーズを戦う選手に、試合の最中に通告するのを避けるねらいがあります。

早く通告すれば、選手はその分早く次の進路を探し始められます。

 

通告からトライアウトまでの流れ(2026年の例)

時期 できごと 確認先
9月28日〜10月9日 第1次の戦力外通告 報道
CS終了の翌日〜10月30日 第2次の戦力外通告 報道
10月30日 育成選手の保留者名簿を公示 NPB
11月17日 12球団合同トライアウト 選手会
12月初め 支配下選手の保留者名簿を公示(2025年は12月2日) NPB
12月 現役ドラフト(例年) 報道

 

※2026年11月4日確認。年によって日付は変わります。

 

自由契約・育成契約・任意引退・トレードとの違い

戦力外通告を受けた選手の多くは「自由契約」になり、そこから育成契約で結び直す人もいます。

自分から辞める「任意引退」や、契約が続いたまま移る「トレード」とは別のものです。

 

自由契約

自由契約は、球団との契約が解除され、どの球団とも自由に契約できる状態です。

野球協約第58条で決められていて、NPB(コミッショナー)が「自由契約選手」として公示したあとは、12球団のどこと契約してもかまいません。

戦力外通告を受けて球団の保留者名簿から外れた選手は、この自由契約になります。

 

育成契約での再契約

育成契約での再契約は、一度自由契約になった選手と、同じ球団が育成選手として契約を結び直すことです。

NPBの進路調査では、2025年に戦力外・引退となった169人のうち48人(28.40%)が、NPBの球団と育成選手として契約しています。

この調査は、同じ球団と育成で結び直した選手を数に入れていません。

 

けがの治療に時間がかかる選手を、枠を空けたうえでチームに残すために使われることもあります。

育成選手は背番号が3ケタになり、1軍の試合には出られませんが、支配下登録されれば再び1軍を目指せます。

 

任意引退

任意引退は、選手が自分から引退を申し出て、コミッショナーが認めた場合の扱いです。

野球協約第59条で決められていて、公示されると選手契約は解除されます。

 

自由契約と違うのは、現役に戻るときに「復帰の条件」が付くことです。

原則として、引退したときの球団が申請して自由契約に切り替えない限り、ほかの球団と自由には契約できない仕組みです。

 

トレード・現役ドラフトとの違い

トレードや現役ドラフトは、契約が続いたまま、選手が新しい球団へ移ることです。

戦力外通告のように契約が終わるわけではないので、選手は移籍先の球団の選手として、そのままプレーを続けます。

自分の意思で球団を移る仕組みには、FA(フリーエージェント)もあります。

➡ 【野球】フリーエージェント国内FA海外FAとは?概要や制度、権限を行使するメリットやデメリットについて

 

4つの扱いの比較

扱い 契約はどうなる 他球団と契約できるか よくあるその後
自由契約 解除される 公示後はどの球団ともできる 他球団・トライアウト・独立リーグ
育成契約での再契約 育成で結び直す 同じ球団に残る 支配下への復帰を目指す
任意引退 解除される 原則できない(復帰の条件つき) コーチ・球団職員
トレード・現役ドラフト 続く 新しい球団に移る 新しい球団でプレー

 

戦力外が決まるまでの流れと年俸・契約の扱い

戦力外通告後の流れ。自由契約・育成再契約・引退の3つの道

 

戦力外は、シーズンの成績や年齢、チームの編成をもとに球団が決め、担当者が選手に直接伝えます。

 

誰がどう決めるのか

一般的には、球団の編成担当(フロント)が、監督やコーチの意見も聞きながら、来季の戦力と枠の空き具合を見て決めます。

決める材料になるのは、1軍・2軍での成績、年齢、けがの状態、同じポジションの選手の数などです。

 

通告は、球団の事務所などに選手を呼び、編成担当が直接伝えることが多いとされています。

その場で、育成での再契約や、球団職員としての採用を打診されることもあります。

 

年俸は通告後どうなる?

戦力外通告は「来季の契約を結ばない」という通知なので、その年の契約が途中で打ち切られるわけではありません。

その年の年俸は、結んでいる契約どおりに扱われます。

 

来季の年俸の保証はなくなるので、次の所属先が決まらなければ、翌年からの収入は自分で確保しなければなりません。

独立リーグや社会人野球に移ると、収入が大きく下がることも珍しくありません。

➡ 村田修一選手はBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスへ 年棒2億2000万から月給40万へ!?

 

保留者名簿と自由契約の公示

保留者名簿は、球団が「来季も契約する権利を持っておく選手」の一覧です。

球団はこの名簿をコミッショナーに出し、名簿に載らなかった選手が自由契約選手として公示されます。

 

2026年は、育成選手の保留者名簿が10月30日に公示されました。

支配下選手の保留者名簿は例年12月初めに公示され、2025年は12月2日でした。

戦力外通告を受けた選手の名前は、この公示でNPBの公式サイトに正式に載ります。

 

育成選手の戦力外はどう違う?

育成選手は、支配下選手より早い10月末に、育成選手の保留者名簿で来季の契約が決まります。

 

2026年の育成選手の保留者名簿は10月30日に公示され、名簿に載らなかった育成選手は自由契約になりました。

報道によると、育成選手は入団から3年のうちに支配下登録されないと一度自由契約になる決まりがあります。

そこから同じ球団と育成で結び直す選手も多くいます。

 

その後に結び直した場合は、1年ごとに自由契約の扱いになると報じられています。

そのため、育成の自由契約選手の一覧には、球団に残る予定の選手も含まれています。

 

自由契約になっても球団を去るとは限らないので、球団の発表やその後の再契約の報道もあわせて見ましょう。

➡ 中学生のドラフト指名はなぜ可能?巨人育成5位・関蓮太郎の進路

 

戦力外通告を受けた選手のその後の進路

NPBの調査では、2025年に戦力外・現役引退となった169人のうち144人(85.21%)が、野球に関わる進路に進んでいます。

 

12球団合同トライアウト

12球団合同トライアウトは、戦力外になった選手が、各球団の編成担当の前でプレーを見せる場です。

現在は日本プロ野球選手会の主催で、2026年は11月17日にバンテリンドーム ナゴヤで行われます。

 

対象は、所属球団から来季の契約を更新されなかった選手(育成での再契約を打診された選手を含む)や、NPBへの復帰を目指す選手です。

トライアウトの結果だけでなく、シーズン中の成績や映像も含めて獲得が決まることが多いとされています。

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独立リーグ・社会人・海外

NPBの外で現役を続ける道もあります。

2025年の調査では、独立リーグが8人、社会人野球が18人、海外のチームが17人でした。

ほかに、NPBのファームに参加している球団に進んだ選手も6人います。

 

独立リーグや社会人野球で結果を出し、NPBに戻ることを目指す選手もいます。

 

球団職員・コーチ・解説者

現役を終えて、野球を支える側に回る選手も多くいます。

2025年の調査では、球団職員・チームスタッフが29人、監督・コーチが3人、野球解説者・評論家が3人でした。

 

球団職員には、打撃投手やブルペン捕手、用具係、スカウト、広報などの仕事があります。

➡ 西岡剛が日本ハムコーチになったのはなぜ?ロッテ退団からの経緯

 

野球以外の仕事

野球以外の道に進んだのは17人(10.06%)で、一般企業への就職が14人、自営・起業が3人でした。

NPBは、引退した選手の次の仕事を支えるセカンドキャリアの支援を行っています。

 

高校・大学の指導者になるには

元プロ野球選手が高校や大学で指導するには、学生野球資格の回復の研修を受けて、資格を取り戻す必要があります。

母校や地元の高校で監督やコーチになる元プロ選手もいます。

➡ 元プロ野球選手が高校野球の監督、コーチになるには?必要な資格や条件など

 

2025年の戦力外・引退選手の進路

進路 人数 割合
NPBの支配下選手 10人 5.92%
NPBの育成選手 48人 28.40%
NPBの監督・コーチ 3人 1.78%
球団職員・チームスタッフ 29人 17.16%
ファーム参加球団 6人 3.55%
独立リーグ 8人 4.73%
社会人野球 18人 10.65%
海外のチーム 17人 10.06%
野球解説者・評論家 3人 1.78%
その他の野球関係 2人 1.18%
一般企業に就職 14人 8.28%
自営・起業 3人 1.78%
未定・不明 8人 4.73%

 

※NPB「2025年戦力外/現役引退選手の進路調査結果」(2026年4月27日時点、対象169人、平均27.2歳、平均在籍6.8年。外国人選手と、同じ球団と育成で結び直した選手は含まない)。2026年11月4日確認。

 

野球に関わる進路は合わせて144人(85.21%)、野球以外は17人(10.06%)です。

対象の選手の平均年齢は27.2歳、プロにいた期間の平均は6.8年でした。

20代後半で次の道を選ぶ人が多いので、プロを目指す人も、現役のうちから野球以外の力を少しずつ身につけておくと安心です。

 

戦力外通告についてよくある質問

 

毎年何人くらいが戦力外になる?

戦力外と引退を合わせると、毎年100人を大きく超えます。

NPBの調査では、2025年に戦力外・現役引退となった選手は169人でした。

この数には、同じ球団と育成で結び直した選手や外国人選手は入っていないので、自由契約になる選手の数はさらに多くなります。

 

他球団はすぐに獲得できる?

自由契約選手として公示されたあとなら、どの球団とも契約できます。

公示の前でも、トライアウトなどで獲得の意思を固めておき、公示後に正式に契約するのが一般的な流れです。

 

トライアウトに受かる人はいる?

一般的に、トライアウトをきっかけにNPBの球団と契約できる選手は多くないとされています。

ただ、独立リーグや社会人、海外のチームから声がかかることもあり、現役を続ける道を探す場になっています。

 

戦力外から活躍した選手はいる?

います。

他球団に移って出場機会が増えたり、育成での再契約から支配下に戻ったりして、1軍で活躍した選手は毎年のように話題になります。

戦力外は終わりではなく、環境を変えて再挑戦するきっかけにもなります。

 

戦力外と自由契約は同じ?

同じではありません。

戦力外通告は「来季は契約しない」という球団からの通知で、自由契約はそのあとにNPBが公示する正式な扱いです。

 

戦力外になったら年俸は返す?

返す必要はありません。

戦力外通告は来季の契約についての通知で、その年の契約は通告の前と同じように扱われます。

 

野球評論家のひとこと

戦力外通告は「実力が足りない」という一言では片づけられず、枠・年齢・ポジションの重なりといった編成の事情が大きく関わる決定です。

同じ成績でも、同じポジションに若い選手がそろっている球団と、手薄な球団とでは、評価がまったく変わることは珍しくありません。

だからこそ、環境を変えて出場機会をつかみ直す選手が出てくるのだと思います。

プロを目指す人には、野球の力を磨くのと同じくらい、「自分はどの球団で、どんな役割なら必要とされるか」を考える視点を持ってほしいです。

 

まとめ

戦力外通告とは、球団が「来季は契約しない」と選手に伝えることで、毎年9月末〜10月末の決められた期間に行われます。

通告を受けた選手は、自由契約・育成での再契約・引退のいずれかに分かれます。

2025年は約85%の選手が、他球団や独立リーグ、球団職員など、野球に関わる道に進みました。

 

プロ野球選手を目指す人は、プロの仕組みや入り方もあわせて読んでみてください。

➡ プロ野球選手になるには 仕事内容や一日の生活 給料・年収・収入、ドラフト会議やプロテストについて

 

参考にした資料(2026年11月4日確認): 日本プロ野球選手会「エイブル トライアウト2026」開催決定/NPB「2025年戦力外/現役引退選手の進路調査結果」/NPB「自由契約選手」公示(2026年)



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