日本のプロ野球で活躍すると一つの目標になってくるのが「名球会入り」する事です。
打者であれば通算2000本安打、投手であれば通算200勝や250セーブを挙げると試合中に花束を持って行ったりと祝福された光景を見た事があると思います。
そんな大記録と合わせて名球会という言葉も聞いたことがあると思います。
名球会入りする事は凄い事なんですが、実際どのくらい凄いのか知っている人は少ないのではと思います。
ここではプロ野球の名球会について紹介したいと思います。
名球会 条件や資格について紹介
名球会いう言葉を聞いた事があると思いますが、一体どのような会なのでしょうか。
まずは名球会がどのような会なのか解説していきます。
名球会とは
名球会の正式名称は「一般社団法人日本プロ野球名球会」と言い、日本のプロ野球でプレーした選手、元選手による法人格をもった団体です。
1978年に設立され、当時の入会条件に昭和生まれである事が条件だったため、昭和名球会とも呼ばれていました。
現在では記録、実績が入会資格の条件を満たせば平成生まれでも入会できるようになっています。
その後、1981年に税法上の理由から株式会社として法人化しました。
代表取締役は金田正一氏、取締役は王貞治氏、長嶋茂雄氏でした。
2010年に一般社団法人として理事長は王貞治氏、副理事長は柴田勲氏、理事は鈴木啓示氏、長嶋茂雄氏、東尾修氏、山田久志氏、山本浩二氏となりました。
2014年12月に、新理事長に山本浩二氏、副理事長に柴田勲氏と古田敦也氏、顧問に長嶋茂雄氏と王貞治氏の新体制が発足しました。
「社会の恵まれない人達への還元と日本プロ野球界の底辺拡大に寄与する」ことを目的にし、国内外で少年野球指導や支援をはじめとする野球の普及促進および社会貢献、講演などに積極的に取り組んでいます。
名球会に入るためにはどうしたらいいの?
名球会入りの条件を満たし、入会の意思を表示すれば入会する事が出来ます。
参加は任意であるため、条件を満たしていても入会するかどうかは本人の意思によります。
国籍は問わないので、外国人選手であっても入会する事は可能です。
入会資格の条件は
- NPBの選手、元選手
- 昭和以降の生まれ
- 日米通算で投手は200勝か250セーブ、野手であれば2000本安打
NPBでの記録をスタート地点としているので、NPBの球団に所属してからの記録に限って、MLBの成績も合算するという意味になります。
なお韓国プロ野球や台湾プロ野球、日米の独立リーグなど、NPB・MLB以外での記録は含まれません。
外国人選手として初めて入会した選手は、アレックス・ラミレスです。
ラミレス選手はアメリカでもプレーしていましたが、日本でプレーしている記録で2000本安打を達成しています。
投手の入会条件は、200勝か250セーブとなっていますが、それぞれの合計が入会資格にはなりません。
名球会入りの新条件?
打者の2000本安打達成に比べると、投手の200勝か250セーブは達成しにくいと言う事で、条件を追加する事を検討しているという事です。
投手の分業制が主流となっているので、「100勝100H100S」なども新条件になるかもしれません。
2000年以降に条件を達成し入会したのは、野手28人に対し投手はわずか7人です。
特に、中継ぎ投手にとって名球会入りの基準はないに等しかった状況となります。
上原浩治投手は、日本人初となる日米通算100勝100セーブを挙げています。
100ホールドまであとわずかなので、100ホールドを達成した場合は名球会入りする可能性もあるかも知れません。
※ホールド
中継ぎ投手が同点もしくはセーブが付く条件を満たす状況で登板し、一死以上を奪い、リードを保つか同点のまま降板した場合に記録される記録です。
名球会の会員メンバー
名球会に入会すると、先輩会員から名球会ブレザーを着せてもらうという「名球会ブレザー贈呈式」が代々行われています。
では2017年シーズン終了時のメンバーを紹介したいと思います。
名球会メンバー投手200勝以上
米田哲也 350勝 近鉄
小山正明 320勝 太洋
鈴木啓示 317勝 近鉄
山田久志 284勝 阪急
稲尾和久 276勝 西鉄
梶本隆夫 254勝 阪急
東尾修 251勝 西武
工藤公康 224勝 西武
村山実 222勝 阪神
皆川睦雄 221勝 南海
山本昌広 219勝 中日
村田兆治 215勝 ロッテ
北別府学 213勝 広島
江夏豊 206勝 西武
黒田博樹 203勝 広島
平松政次 201勝 太洋
野茂英雄 201勝 ロイヤルズ
一覧にして見てみると、長い歴史のあるプロ野球でも200勝以上挙げている投手はごくわずかです。
それだけ200勝という記録は凄い記録という事になります。
名球会メンバー投手250セーブ以上
岩瀬仁紀 404セーブ 中日
佐々木主浩 381セーブ 横浜
高津臣吾 313セーブ ヤクルト
2003年の名球会の総会で250セーブ以上の投手も入会が認められるようになりました。
現在のプロ野球では、先発、中継ぎ、抑えと分業制のためセーブ記録も名球会入りの対象となりました。
名球会メンバー野手
イチロー 4358安打 マリナーズ
張本勲 3085安打 ロッテ
野村克也 2901安打 西武
王貞治 2786安打 巨人
松井稼頭央 2699安打 西武
松井秀喜 2643安打 レイズ
門田博光 2566安打 ダイエー
衣笠祥雄 2543安打 広島
福本豊 2543安打 阪急
金本知憲 2539安打 阪神
立浪和義 2480安打 中日
長嶋茂雄 2471安打 巨人
土井正博 2452安打 西武
石井琢朗 2432安打 広島
山本浩二 2339安打 広島
高木守道 2274安打 中日
山内一弘 2271安打 広島
井口資仁 2254安打 ロッテ
大杉勝男 2228安打 ヤクルト
大島康徳 2204安打 日本ハム
福留孝介 2190安打 阪神
新井貴浩 2178安打 広島
若松勉 2173安打 ヤクルト
稲葉篤紀 2167安打 日本ハム
広瀬叔功 2157安打 南海
秋山幸二 2157安打 ダイエー
宮本慎也 2133安打 ヤクルト
清原和博 2122安打 オリックス
小笠原道大 2120安打 中日
前田智徳 2119安打 広島
谷繁元信 2108安打 中日
中村紀洋 2106安打 DeNA
古田敦也 2097安打 ヤクルト
松原誠 2095安打 巨人
山崎裕之 2081安打 西武
藤田平 2064安打 阪神
青木宣親 2058安打 ヤクルト
有藤通世 2057安打 ロッテ
江藤慎一 2057安打 ロッテ
加藤秀司 2055安打 南海
和田一浩 2050安打 中日
小久保裕紀 2041安打 ソフトバンク
新井宏昌 2038安打 近鉄
阿部慎之助 2036安打 巨人
荒木雅博 2023安打 中日
野村謙二郎 2020安打 広島
柴田勲 2018安打 巨人
ラミレス 2017安打 DeNA
鳥谷敬 2015安打 阪神
田中幸雄 2012安打 日本ハム
駒田徳広 2006安打 横浜
野手は投手に比べると、多くの選手、元選手が入会しています。
現役選手の中にも入会している選手がいるので、打撃の技術が高まってきているのではと思います。
それにしてもイチロー選手の4358安打は別格の記録です。
また、落合博満氏は2371安打を達成しており入会の条件を満たしていますが入会しておりません。
詳細はわかりませんが、オレ流の考えあっての事なんだと思います。
名球会入りの条件や資格まとめ
名球会入りすると言う事は、プロ野球選手にとってとても名誉ある事です。
投手は200勝か200セーブ、野手は2000本安打以上が条件とされています。
現状投手の条件は野手に比べ達成しにくくなっています。
そのため、条件の見直しもしているという事です。
条件が追加となったとしても、達成するにはかなりハードルが高い内容となります。
現在は投手16名、野手48名という会員人数で投手の人数が少ないですが、今後条件が追加されれば投手で入会できる人も増えてくるのではと思います。