野球の選手の成績には、打率や打点などの数値があります。
それと同様に『OPS』というのがあります。
実際OPSという数値を見た事がある人は多いと思いますが、実際どういった事を表している数値なのでしょうか。
また、プロ野球選手はどの選手が高いOPSの数値を出しているのでしょうか。
ここではOPSについて紹介したいと思います。
OPSについて
OPSとは『On-base plus slugging』の略であり、打者を評価する指標の1つで、出塁率と長打率とを足し合わせた値になります。
比較的簡単に求める事ができる数値で、得点との相関性が分かりやすいです。
打者の成績と言えば、打率、打点、本塁打などが主に取り上げられていますが、野球は得点を多く取った方が勝つルールです。
個人よりもチームスポーツになるので、いかに得点に関りをもったかが大切になります。
OPSの重要性
OPSは得点との相関関係の強さと、計算方法が簡単という事でメジャーリーグで2000年代以降普及しました。
現在では打者成績の公式記録として採用されている程です。
もちろん日本のプロ野球においても、その数値は重要とされています。
2006年にヤクルト監督に就任した古田敦也氏が、リーグ最高のチーム打率ながら最少得点に終わった打線を強化するため、出塁率と共にOPSを重視することを明言しました。
2009年に広島東洋カープ監督のマーティ・ブラウン氏がOPSを重視した打線を組むとした事で注目されました。
米国球界経験者のG.G.佐藤選手が西武ライオンズとの契約の時に、OPSに応じた出来高の導入もありました。
2017年パ・リーグの優勝はソフトバンクでしたが、リーグの順位とチームOPSの順位がほぼ一緒でした。
OPSの計算式
OPSの計算方法は簡単で『出塁率+長打率』になります。
出塁率にはヒット、フォアボール、デッドボールなどが含まれ、長打率には2塁打、3塁打、本塁打が含まれます。
OPSの見方
野球においてOPSが重要というのはお分かり頂けたと思います。
では、どのらくいの数値が良い数値で、悪い数値はどのくらいなのか紹介したいと思います。
OPSの開発者であるビル・ジェームズ氏はランクA~Gまでの7段階で分類しました。
ランクA
素晴らしい OPS0.9000以上
ランクB
非常に良い OPS0.8334~0.8999
ランクC
良い OPS0.7667~0.8333
ランクD
普通 OPS0.7000~0.7666
ランクE
平均以下 OPS0.6334~0.6999
ランクF
悪い OPS0.5667~0.6333
ランクG
非常に悪い OPS0.5666以下
OPSの注意点
出塁が過小評価されている
得点期待値からプレーの得点価値を算出するLinear Weightsと比較すると、出塁能力が過小評価されている問題点があります。
走塁能力に直結しない
OPSでは選手が出塁した後の進塁・盗塁の成否は問われません。
そのため選手の走塁能力を充分に反映した指標とは言えませんが、走塁能力によって長打の数が増えたり内野安打になったりする事もあるので、走塁能力もある程度はOPSに反映されます。
打者のタイプの違いを表す数値ではない
二つの数値を足すため「長打はないが出塁率が高い」打者なのか、「出塁率は低いが長打が打てる」打者なのかは分かりにくいです。
米国のメディアは打率、出塁率、長打率の3指標を「打率/出塁率/長打率」とまとめて記載することで問題を解決しています
プロ野球選手のOPS
2017年度セ・リーグOPSランキング
1位
広島カープ 鈴木誠也選手
OPS.936
2位
横浜DeNA 筒香嘉智選手
OPS.909
3位
広島カープ 丸 佳浩選手
OPS.903
4位
読売ジャイアンツ マギー選手
OPS.897
5位
中日ドラゴンズ ゲレーロ選手
OPS.896
6位
ヤクルトスワローズ バレンティン選手
OPS.864
7位
横浜DeNA ロペス選手
OPS.863
8位
横浜DeNA 宮﨑敏郎選手
OPS.856
9位
阪神タイガース 糸井嘉男選手
OPS.829
10位
阪神タイガース 福留孝介選手
OPS.818
2017年度パ・リーグOPSランキング
1位
ソフトバンク 柳田悠岐選手
OPS1.016
2位
西武ライオンズ 秋山翔吾選手
OPS.933
3位
楽天イーグルス 茂木栄五郎選手
OPS.867
4位
オリックス T-岡田選手
OPS.862
5位
ソフトバンク デスパイネ選手
OPS.859
6位
楽天イーグルス ペゲーロ選手
OPS.846
7位
楽天イーグルス ウィーラー選手
OPS.835
8位
西武ライオンズ 浅村栄斗選手
OPS.799
9位
日本ハム 西川遥輝選手
OPS.794
10位
福岡ソフトバンク 松田宣浩選手
OPS.777
OPSの意味や計算方法まとめ
OPSは打者の能力を計る1つの数値で『出塁率+長打力』で求める事ができます。
得点との相関性が高く、かなり重要とされている数値の1つです。
OPSの数値は.700以上が普通とされていて、それ以下だと平均以下になります。
打率や打点とはまた違った意味を持つ数値で、かなり重要とされている数値です。
OPSを見ると、その選手の違う一面に気付く事もあると思います。
今後も選手の成績を見る時は、OPSにも注目して見て頂ければと思います。
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