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【野球】クイックモーションの歴史と始まり すり足クイックの誕生が現在の原形となる

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クイックモーションとはランナーの盗塁を阻止するために素早く投げる投球フォームです。

クイックモーションの始まりは1970年代の初めの頃と言われています。

 

それまではクイックモーションというフォームはなく、足を大きく上げて投げていました。

それがどうしてクイックモーションが誕生したのでしょうか。

 

ここではクイックモーションの歴史について紹介したいと思います。

クイックモーションの誕生

名捕手によって生み出された

クイックモーションは元南海ホークスの野村克也氏によって生み出されたと言われています。

その事については著書にも「新戦術クイックモーションを生み出す」と記載されています。

 

本の詳細はコチラから確認できます。

 

当時の走塁スペシャリスト福本豊氏の盗塁を防ぐために考えたと言います。

福本氏は世界の盗塁王と言われ、次々と盗塁を決めていました。

シーズン世界記録の106盗塁を決め、13年連続盗塁王に輝いています。

通算盗塁数は1065盗塁になります。

 

クイックモーションを生み出した理由

野村克也氏がなぜクイックモーションを生み出したのか。

福本豊氏の通算1065盗塁の内、野村氏から決めた盗塁数は162盗塁と1割以上を占めています。

福本氏も「南海戦は自分の庭」と言う程でした。

 

野村克也氏もこれだけ盗塁を決められて黙っている訳にはいきません。

しかし、最初に考え付いたのは「牽制球で福本氏の足にボールを当てて怪我をさせる」「1塁の土に水を含ませドロドロにしてスタートを切りにくくする」

そういう事しか考えられなかったという程、福本豊氏の足は止めようがなかったのです。

 

野村克也氏はズバリ福本豊氏に盗塁について聞きました。

福本氏は「キャッチャーは関係ない。ピッチャーのモーションで判断している」と言ったそうです。

それがきっかけでピッチャーに小さいモーションで投げるように指示したという事です。

盗塁を防ぐのはキャッチャーだけの仕事ではなく、ピッチャーとの共同作業という事です。

 

クイックモーションの開発

クイックモーションで投げるように練習しましたが、当時はクイックモーションを出来る投手がほとんどいませんでした。

足を上げずに投げる事は球威と制球力を大きく乱してしまうのです。

 

それでも肩の強い投手は投げる事ができましたが、そうでない投手にはできるモーションではありませんでした。

しかし、クイックモーションをしないと盗塁したランナーをアウトにする事が難しくなってしまいます。

今では当たり前のようにしているクイックモーションですが、出来上がるまでにはかなりの苦労がありました。

 

すり足クイックの誕生

当初クイックモーションは踏み出す足を出来るだけ早く上げ下げして投げていました。

しかし、すり足クイックは足をほとんど上げずにスライドさせて投げるフォームです。

 

これがクイックモーションの原形となるのです。

すり足クイックというこれまでに見た事がないフォームに福本豊氏の足も止まりました。

 

クイックモーションをすることにより、コンマ数秒投球モーションが速くなります。

そしてこのコンマ数秒が盗塁をアウトにできるかどうかの大きなポイントとなっていたのです。

 

すり足クイックの極意

いくら足を早く上げ下げしても、足を上げてしまう事が既にクイックモーションになっていないとすり足クイックが生まれました。

すり足クイックをするときは、重心を軸足に乗せて内股に力を入れてそのまま前に出ていくイメージです。

 

さらにグローブに入っているボールを出来るだけ早くグローブから離すという事です。

両手を離して割るようなイメージを素早く行ういう事も重要なポイントになります。

 

クイックモーションを拒否した投手も!?

盗塁を阻止するのはキャッチャーの肩だけでなかく、ピッチャーのクイックモーションも必要です。

クイックモーションを覚えるようにプロ野球の投手コーチがアドバイスをしていましたが、拒否する投手もいました。

 

村田兆治投手野茂英雄投手です。

 

この2名の投手の考え方は、盗塁されても抑えれば問題無いという事でした。

個性的なフォームで投げる2名の投手には、自分の投球フォームにこだわりがあったのかも知れません。

 

野村克也氏がクイックモーションを開発した成果は、1973年福本豊氏の足を抑えパ・リーグプレーオフ優勝に導きました。

 

クイックモーションの歴史と始まりまとめ

クイックモーションは1970年の初め、野村克也氏が考え生み出された投球フォームです。

当時世界の盗塁王として盗塁を量産していた福本豊氏の足を止めるために考え出されました。

 

そして原形となったのが「すり足クイック」です。

重心を軸足に乗せてそのままスライドして投げるイメージです。

さらに、グローブに入っているボールを素早くボールから離すようにする事も需要なポイントです。

 

クイックモーションを拒否した投手もいますが、クイックモーションは盗塁を阻止するだけではなく、バッターのタイミングをズラすためにも有効な投球モーションです。

クイックモーションをしても球速や制球力が変わらないように練習するのも良いと思います。

 

クイックモーションのポイントはコチラをご覧ください

➡ピッチャーがクイックモーションを素早くする技と工夫 理想的なフォームでキャッチャー到達までのタイムを速くするコツ



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